世界遺産とは、現代を生きる世界のすべての人が共有し、未来の世代に引き継いでいくべき人類共通の宝物のことです。
  自国の文化と歴史を愛することは、他国の文化と歴史を理解し、尊重することへと繋がっていきます。
 たとえばエジプトのピラミッドは、エジプトに暮らす人々だけでなく、私たち日本人を含む人類全体にとって同様に大切な文化遺産です。
 異なる文化にも理解を深め、遺跡や文化財が生まれた背景や歴史を学び、自然の素晴らしさから受ける感動を多くの人々と分かち合う。
 世界遺産活動を通じて私たちは、地球環境の保全はもちろん、世界平和の大切さを学ぶことができると考えています。

 
 1、国内法での保護
  富岡製糸場→重要文化財
  建造物・町並み→伝統的建造物群、文化的景観
  技術・芸能→選定保存技術、無形民俗文化財・・・・・etc
 2、日本国暫定リストへの搭載
  文化庁で選択→世界遺産条約関係省庁会議で決定
 3、国からユネスコへ推薦(年1件)
 4、ユネスコの調査、ビューロー会議
 5、ユネスコ世界遺産委員会で決定

 
 
世界遺産登録によるインパクトとその波及効果は様々あると思われますが、より直接的に期待される観光客の増加については、国内におけるこれまでの登録事例からすると、既存の有名な観光地では微増程度であるのに対して、登録により観光地としての知名度が上昇した地域は急増の傾向にあり、インパクトが大きいといえます。
 群馬県は富岡製糸場を含む広い範囲の養蚕関連施設等の近代化遺産を一体登録する方針を打ち出しており、観光客をはじめとする交流人口の増加は、世界遺産をコアとする県内観光の活性化と県全域における地場産業活性化にも波及効果が期待されます。
 経済的な波及効果は、観光客増加といった直接的な需要増加に対し、原材料やサービスの投入を伴う生産増加がもたらされるほか、就業機会の増加と雇用者所得の増加を生み、その消費増加が2次的な波及効果をもたらします。具体的な産業としては、宿泊・交通・レジャー関連産業、飲食関係、食料品・衣料・その他お土産の販売等、商業、農業、建設業等々、新規起業を含め様々な産業への波及効果が想定されますが、その経済的波及効果の測定等については、関係機関等による今後の調査研究に期待することとします。
 世界遺産登録による波及効果というと、経済面に関心が寄せられがちですが、世界遺産登録の意義および本会設立の趣旨からしても、経済波及効果はあくまで副次的なものです。世界遺産登録へ向けての活動と登録後の保全・活用を継続することは、地域住民として郷土の誇りをもち、将来を担う子供たちの心に郷土愛を育むことに寄与できます。また、県内地域の風土や文化遺産への理解が高まると同時に国内外からの訪問者に地域の文化の理解を深めてもらうことを通じて、県民性のPRや地域のイメージアップ、文化的水準の向上といった、経済面以外での地域の活性化に結びつきます。
 産業遺産としての世界的な文化遺産を保持保有でき、さらに地域の魅力を発掘していくことが地域アイデンティティーを確かなものとし、市場価値には表せない価値の存在が確認できるのではないでしょうか。人類の共有財産として将来の世代に残すための情報発信と国際交流を活発化させていくことで、文化的価値・歴史的価値に関心が高く、環境や心の豊かさに敏感な訪問者の増えることも期待できます。

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NPO法人「富岡製糸場を愛する会」